懲罰的な業務命令/パワーハラスメント

懲罰的業務命令

会社とそこで働く人の間には、労働契約・雇用契約が結ばれている事になっています。
契約が結ばれると、働く側は命じられた業務を行う義務が発生し、会社(会社の代理としての管理監督者)には業務命令権が生じる事になります。
ただし、労働基準法をはじめとする労働関連諸法に違反する労働条件下での命令や、不法行為を行う命令、合理的ではない命令に従う必要はありません。

『契約』の一つの形として理解されている雇用契約・労働契約には、様々な権利や義務がついて回る事になります。
働く側には、業務命令に従って給料分の働きをする『労務提供義務』が生じますが、その対価としての『賃金請求権』が発生します。
一般的な業務命令であれば問題がないのですが、草取りや就業規則の書き写しなどは、『業務命令権を逸脱するもの』『指揮命令権を逸脱する懲罰的なもの』として、正当なものとしては認められていません。

懲罰命令の認定要素

パワーハラスメントと戦う際の最終的な場は裁判所となります。
数々の労働判例では、概ね以下の3要素の焦点を当てた判断が下されます。

 業務上の必要性
『営業マンに就業規則の書き写しをさせる』/『運転手に除草作業をさせる』/『人事課社員にトイレ清掃をさせる』など、本来行うべき業務とは関連性が薄い業務命令は、業務上の必要性・関連性が認められない懲罰的業務命令と認定されます。
 違法目的の有無
『いじめる』/『うさを晴らす』/『見せしめ』/『会社に必要とされていない事を気付かせる』など、人権を踏みにじる意図を持っての業務命令は、そもそも違法なものとして認定されます。
 大きな不利益
『炎天下での連続労働』/『高温多湿の場所における単純作業』/『適度な休憩を与えない』など、その業務を行う人の健康や精神に対して大きな負荷を与える命令は、社会通念(一般常識)から判断して、懲罰的業務命令と認定されます。

会社での懲罰

職務怠慢が目立つ者や、期待した業績を上げられない社員を懲らしめる(奮起を促す)ために行われる罰則は、就業規則に予め記載された罰則の中から選択される必要があります。
民間人である大人が、同じく民間人である大人に罰を与えるという事柄自体が簡単なものではなく、予め提示して、労働者側も了承している罰則の中から、罪の大きさに釣り合う罰を適用する事が必要になります。
一度罰を下した事柄に対し、「罰の程度が充分ではなかった」と言って、再度懲罰を付加する事は許されません。(法的な争いになれば、会社が負けるという事です)

現場の管理監督者がその場で考え出した類の懲罰は、厳密に言えば、その行為自体が労働契約違反に当たります。

「懲戒規定」/就業規則

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